2021年5月30日 説教要旨 関口昌弘氏(信徒)

人は変われるのか

ヨハネによる福音書 3: 1 – 17

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今日から三位一体主日に入ります。先週までは、イエスさまの生涯を学ぶ主日でしたが、今日からは、教会の活動・信徒の働きを学ぶ半年となります。父と子と聖霊が一つとなって、この世での活動が展開されます。信徒もその輪に加わらなければなりません。

数年前、白神山地に行く機会がありました。そこは、ブナの木の林がとても綺麗でした。ブナの葉は、時が来ると自ら葉脈を閉じるそうです。すると一斉に綺麗な紅葉が始まります。 葉脈を閉じることによって、早く葉を落とし葉から枝一杯に雪が積もることを最小限に留めるためだそうです。植物に与えられた神さまの働きです。

人は、自ら変われるのでしょうか? 自分自身のことを考えてみると、中高生のころ自分の嫌な性格に気付き何とか変わりたいと思ったことがあります。意識的に努力はしましたが長続きはしませんでした。 無意識の行動の方が多かったと思います。 自らその性格を変えることはできませんでした。いつしかあきらめていました。

イエスさまは、ニコデモに「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることは出来ない。」とおっしゃいました。 ニコデモは、良識のある学者でしたが、自らを変えることは不可能と考えました。「年をとった者がどうして生まれ変わることが出来ましょう? 」といいます。人は自らの力で変わることはできないと思っています。

イエスさまは、ニコデモも人々も自ら変わることはできないことをご存知です。 そこで本日のみ言葉です。「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。」と。 肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。 肉から霊へのジャンプは自らの力では不可能です。 それは神さまの力、水によるバプテスマ、霊によるバプテスマによらなければ不可能なことだとおっしゃいます。」 バプテスマとは、一度罪ある人間が死んで、神さまの力によって生き返ることです。

16節からは、トーンが変わります。神さまのみ言葉です。「神は、その独り子をお与えになったほどに、この世を愛された。独り子を信じる者が、一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神さまが御子を世に遣わされたのは、世を裁くためでなく、御子によって世が救われるためである。」
人は、罪を犯す存在であること、信じる事の出来ない存在であること。それをご承知の上、聖子を世に遣わされました。

神さまの一方的な愛です。独り子を死に渡すまで、愛は神さまから一方的に与えられました。人は、どうお応えできるのでしょうか。人が自力でお応えすることは不可能です。神さまが与えられた水と霊とのバプテスマを頂いて変えられた人間が、へりくだってお仕えするしかありません。